金一志韓国伝統芸術院

KIM IRU CHI

NHK 姜尚中さんの自伝的番組の撮影に

2007年 09月 19日
NHKから放送出演の話があり、撮影にでかけました。
番組は「わたしが子どもだったころ 政治学者 姜 尚中」テレビにもよく出演されている東京大学の姜尚中(カンサンジュン)先生の自伝的番組です。

 早朝から京都太秦にある東映京都撮影所に行き撮影準備をして、実際に撮影に入ったのは1時過ぎ、終わったのが9時過ぎでした。舞台の準備も大変ですが、テレビの撮影もまた違った意味で苦労が多いものです。

 一歩外に出ると京都の街中ですが、撮影所のセットの中に入ったら、そこは1950年代後半の熊本市、永野商店(姜さんの実家)、一気にタイムスリップしてその世界に入ります。法事(チェサ)の場面でセットの食卓に並べられた食事も鶴橋から運んできた本格的なものでした。

 姜尚中さんは自伝(「在日 姜尚中」講談社)の中で、子供時代に「民族というものをもっとも強くイメージさせたのは、下関のおばさんであった。彼女はいわゆるムーダンである。日本で言う巫女さん。恐山の「いたこ」のような存在だ」と書かれており、その回想シーンの撮影です。
オモニの故郷の習慣、祭儀への執着を忌嫌う姜尚中さんがやがて「在日」であることを正面から捉えなおす象徴のシーンで、考えさせらることが多かったです。

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