金一志韓国伝統芸術院

KIM IRU CHI

韓日国交正常化50週年記念公演 「古より遙かなる明日へ」

_mg_3883.jpg 1月12日、目が覚めるとちらちら雪が舞っていました。あー、お客様の出足が鈍るなあ、搬入大変やなあとちょっとブルーになっていましたが、ありがたいこ とにすぐに雪は止み、滞りなく舞台の準備は進みました。 お客様の入りも開場の時点でほぼ満員御礼の状態で補助席を出すほどで、残るは良い舞台をお届けするのみ!
 第1部の韓国伝統芸能では、太平舞の伝授助教である李明子先生の太平舞を始め、柳知淑先生による西道民謡、それに続くチャンゴなど、華やかで、興に乗って ついオルシゴ!と声がかかるほどのノリの良い舞台でした。

 _mg_3977t.jpg第2部は本公演のメインイベントである、パンソリと狂言の競演でした。実はパンソリの安淑善先生は、風邪をめされていて本調子ではなかったのですが、舞台 は見事!というより他ない、素晴らしいものでした。 狂言は、私自身もフルで観るのは実は初めてだったのですが、さすが茂山一門、登場人物に出演者の名前を入れるという小技を使い、柔和な語り口でたちまち狂 言の世界に引き込まれてしまいました。
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 第3部の書芸パフォーマンスは、日韓の書家の先生方が各々の分野の作品をライブで書いて頂いたのですが、客席側からは残念なことに何が描かれているのか全 く見えなかったため、どういうものが出来上がるのか楽しみ半分、退屈半分でしたが、果たして出来上がった作品は、それは見事な小坊主さん、法華経、そして 日韓両国語で本公演のタイトルである「古より遥かなる明日へ」と、芭蕉の俳句が、それは見事な作品として目の前に現れ、会場からは感嘆の声が自然と沸き起 こりました。
 予定していた終演時間を大幅に超え、約3時間強の公演となりましたが、本当に盛りだくさんな贅沢な舞台で、きっと観客の方々にも満足して頂けただろうと自 負している私です。 (write: 金鉱子)


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